土工といえば、スコップもって一輪車ひいての世界ですが、いわゆる人夫とか手元と言われる人たちのように単純作業を行ったり人数が足りない時に応援にきてくれる人もいれば、親方、棒芯、番頭さんなどと呼ばれるあらゆる現場で多能工として様々な仕事に対応する人もいます。

敢えて主観的なことを言いますが、多能工のスキルは凄いです(笑)

ある時は重機のオペレーター、ある時は左官仕事でブロック積んだり、土間コンクリートを均したり、石積みやモルタル成形、タイル貼りもこなす人だっています。またある時は、アルミメーカーのユニット製品を組み立てることも、、フェンスや門扉、カーポート。本当に器用にこなします。色んな土木屋の職人さんを見ていて感じるのは、外構屋さんには、この多能工のスキルを幅広くこなす人たちが多いなってことです。

職人さんの世界は、土木に限らないかもしれませんが、親方や専門職の人たちの技を見よう見まねでやってみて失敗しながら覚えていく昔ながらの気質を持っている気がします。

外構屋さんのスキルに圧倒されながら、土建屋目線で見ていると、

アスファルト舗装や乗り入れコンクリート、鉄筋、型枠工、解体工事などは、土木系の多能工ならではの仕事です。沢山の現場を見て、実際に携わって、悩んで考え抜いた人たちが、そのスキルを仕事に活かしています。

土建屋の仕事は多岐に渡りますが、
原理的な発想で考えれば、基礎とインフラに分けれるんじゃないかなと思います。
家や看板・街路灯、物置や受水槽、フェンスや土留め擁壁などの全て地面の下に基礎があるから、
自立して地球上のその場所に佇むことができるのです。
道路があって、電気、水道、ガスなどのライフラインを整備するのに土木は避けては通れない世界です。
この基礎とインフラの部分を任されるのが土建業なのです。
土木は、地面の下を考える仕事であり、生の躯体(下地)を作る仕事です。
私たちの生活の基盤であり、暮らしを良くするためには避けられない世界。
こういう世界だから、科学技術の発展や国際化などのマクロな世界からみたら、
地域活動であり、ミクロでローカルな世界観で仕事をするのが土建屋です。

今、建設業界をとりまく問題として、技術技能者という現場スキルを持った人たちの高年齢化と若い人たちの職場離れ、就職希望者の減少とで、深刻な人手不足が続いています。

だから、知って欲しいのです。土木の多能工は、オールマイティーに現場でのものづくりをする、男らしくてカッコいい職人さんの世界です。

そんな男たち(女性の参加も大歓迎ですよ)が、活き活きと働いて、地域住民のひとたちのくらしを守ったり、震災などで大変な時に活躍する社会になれたらいいですね。